「卵子提供を受ける条件は?」
「卵子提供を受ける際のプロセスは?」
「卵子ドナーになる条件は?」

といった疑問をお持ちではありませんか?

本記事では、そんな疑問の解決に役立つ内容を

・卵子提供を受ける方法
・卵子提供を受ける条件
・卵子提供を行う側(卵子ドナー)の条件

の順番に解説していきます。

卵子提供を受けることを検討している人、卵子提供を行うことを検討している人には役立つ記事になっていますので、ぜひ最後までご覧ください。

卵子提供とは?

卵子提供とは、夫の精子と卵子ドナーの卵子を体外受精させ、受精卵を妻の体内(子宮)に移植することで行う不妊治療の一つです。

卵子提供は、何らかの理由で自分の卵子を使って子供を作ることができない夫婦が子供を授かるための有効な手段の一つとなっています。

下記では、卵子提供について詳しく解説していますので、卵子提供についてより詳しく知りたい人はぜひご覧ください。

関連記事:卵子提供プログラム

卵子提供を受ける方法

卵子提供を受ける方法には、JISART認定施設での卵子提供と卵子提供エージェントを介した卵子提供の2通りがあります。

JISART認定施設で卵子提供を受ける

JISARTとは、不妊治療専門クリニックで構成された団体です。

JISART認定施設で卵子提供を受ける場合は、日本国内での卵子提供治療が可能です。

安全性・有効性の高い生殖医療を提供するために、実施規定に基づいた不妊治療クリニックの審査・認定を行っています。

日本では、1983年の日本産婦人科学会の会告にて、生殖補助医療の適用を婚姻関係のある夫婦のみに限定して以降、卵子提供は自主規制されてきました。

2008年にJISARTが独自に、精子・卵子の提供による非配偶者間体外受精のガイドラインを作成し、JISART認定施設に限り国内での卵子提供が可能となりました。

卵子提供エージェントで卵子提供を受ける

卵子提供を受けるためのもう一つの方法は、卵子提供エージェントを活用する方法です。

JISART認定施設以外で卵子提供を受けたい場合や、JISART認定施設における卵子提供の条件にマッチしない場合は、日本での治療はできないため、卵子提供エージェント経由で海外にて卵子提供を受けます。

卵子提供エージェントは、卵子提供を受けたい方に、海外の不妊治療クリニック、卵子ドナーを紹介し、卵子提供をコーディネートする役割を持っています。

JISART認定施設での卵子提供と比較して費用が高い傾向にありますが、卵子提供を受ける方の条件がJISARTほど厳しくなく、より多くの方が利用できます。

また、匿名の卵子ドナーと身内の卵子ドナーどちらを選ぶことも可能です。

卵子提供を受ける条件

卵子提供を受ける条件は、どこで卵子提供を受けるかによって異なります。

JISARTで卵子提供を受ける場合と、卵子提供エージェントで卵子提供を受ける場合それぞれについて説明します。

JISARTで卵子提供を受けるときの条件

JISARTでは、卵子提供を受けるときの条件を以下のように定めています。

卵子提供による体外受精を受ける者(被提供者)は、第三者より卵子の提供を受けなければ妊娠できない医学的理由が認められる者であることを要する。
具体的には以下のような場合とする。

1.卵子が存在しない場合
2.夫婦間体外受精(採卵)によっても妊娠または出産に至らず、その原因が卵子にあり、今後妊娠の可能性が極めて低いと医師が判断した場合
3.妻が重篤な遺伝性疾患の保因者または患者で、着床・出生前検査および妊娠中絶を望まない場合

ただし、加齢により妊娠できない夫婦でないことを必要とする。
この点の具体的な判定は医師の裁量によるが、妻の年齢が 50 歳までであることを目安として判断する。
また、夫婦の健康状態、精神的な安定度、経済的状況など、生まれてくる子を安定して養育していくことができると認められる夫婦であることを必要とする。
引用:精子又は卵子の提供による体外受精に関する JISART ガイドライン

JISARTでは、上記のように卵子提供を受ける場合に厳しい条件を設けており、上記条件に該当しない方は別の方法をとる必要があります。

卵子提供エージェント(メディブリッジ)で卵子提供を受けるときの条件

卵子提供エージェントで卵子提供を受ける条件について、世界最大級の登録者数を誇る卵子ドナーバンクを運営している卵子提供エージェントのメディブリッジの例をご紹介します。

メディブリッジで卵子提供を受けられる方の条件は、以下の通りです。

・加齢や疾病の治療の影響で卵巣機能が低下し、自己の卵子が採取できない方
・自己の卵子は採取できるが、受精出来ない、分割が途中で止まってしまうなど、移植可能な受精卵が得られない方
・不育症の検査等での異常はみられないのに、移植しても着床しない方や早期の流産を繰り返しておられる方
・腫瘍や癌などにより卵巣を摘出された方
・早発閉経・自然閉経している方
・ターナー症候群と診断された方

卵子提供でなければお子様を授かることができない方を対象としている点は、JISARTもメディブリッジも共通しています。

しかし、JISARTの卵子提供は、加齢による不妊は適用されませんが、メディブリッジでは適用される点は、大きな違いと言えるでしょう。

卵子提供を行う側の条件(卵子ドナーの条件)

卵子を提供する側の条件も、JISARTとそれぞれの卵子提供エージェントで異なりますが、母体の年齢は、卵子の生殖力に大きく関わるため、年齢に関する条件がある点は共通しています。

メディブリッジでは、世界最大級の日本人卵子バンクを運営しており、ドナーファイルには常時400名程度の日本人ドナーが登録されています。

メディブリッジでは、卵子ドナーを以下のような条件で募集しています。

・日本人国籍で短期間海外に滞在することが可能な方
・20歳~30歳の方
・健康な方
・喫煙されない方

クライアント様ができるだけ少ない試行回数で妊娠・出産に至れるよう、メディブリッジでは上記の基準を設けております。

健康で年齢が若いということに加え、卵子異常形態発生率と正の相関関係がある喫煙(※)をしていないことも条件に加えています。

(※)参考:Amanda Souza Setti, et al. Reprod Biomed Online. 2022 Feb;44(2):370-379. doi: 10.1016/j.rbmo.2021.08.025.

卵子ドナー志願者の方には、事前審査で条件に合致していることの確認が取れたのち、登録をしていただきます。

なお、卵子ドナーに選ばれた際には、身体検査を受けていただき、最新の健康状態を把握できるようにしております。

メディブリッジの卵子提供プログラムと、弊社プログラムにおける卵子ドナー選定について、以下にて詳しくご紹介しています。

関連記事:卵子ドナー | 卵子提供・代理出産なら【メディブリッジ】

卵子提供を受ける際のプロセスについて

メディブリッジの卵子提供プログラムでは、通常ご主人様の海外渡航は1回、奥様の渡航は2回です。

卵子提供プログラムの大まかな流れは以下の通りです。

・お問い合わせ
・個別面談
・申請書提出

申請書を作成いただきましたら、弊社にて申請内容を確認し、治療におけるリスク・費用の説明をさせていただきます。

申請書を受領後、現地クリニックへ受け入れの確認を実施し、回答が得られ次第、ご夫婦に受け入れ可否をご連絡します。

・メディブリッジとの契約・渡航日程決定
・1回目渡航(ご夫婦での渡航、最短一泊二日)・半日検査
・卵子ドナー選定(帰国後、卵子ドナープロフィールをご紹介し、卵子ドナーを決定します。卵子ドナーのスケジュールを確認後、2回目の渡航日を決定します。(2回目の渡航は基本的に、ドナーさんの採卵が無事に終わり着床前診断の結果がわかってからになります。)
・ドナーさん渡航
・現地病院にてドナーさんの採卵終了後、即座に体外受精
・2回目渡航(奥様のみの渡航、一週間程度)
・日本にて妊娠判定
・ご出産

卵子提供を受けた際の妊娠率は?

2003年のアメリカのデータによると、卵子提供を受けた場合の妊娠率は、新鮮胚移植で58.8%、凍結胚移植で37.3%です。

この研究における自己卵子での妊娠率のデータは、新鮮胚移植で42.2%、凍結胚移植で34.2%でした。

卵子提供の場合は、年齢が若く、基礎疾患がない卵子ドナーの卵子を使用するため、自己卵子での不妊治療よりも妊娠率が高くなります。

参考:Assisted Reproductive Technology Surveillance — United States, 2003

メディブリッジにおける卵子提供の妊娠率の実績は、ハワイで75%~80%程度、マレーシアで65〜70%程度(いずれも1個の正常胚、胚盤胞移植)です。

さらに、卵子提供の場合は、一度の排卵誘発で複数の受精卵を採卵でき、余剰胚を凍結保存できる確率が高いです。

万一、一度の移植で妊娠に至らなくても凍結保存の受精卵で次の周期に移植できるため、一度の採卵あたりの妊娠率はさらに高くなります。

卵子提供の妊娠率については下記で詳しく説明していますので、ぜひ参考にしてください。

関連記事:卵子提供妊娠率

卵子提供を受ける際の費用は?

卵子提供を受ける際の費用は、JISART認定施設で受ける場合は、80〜100万円程度です。

卵子提供エージェントを通じて行う場合、JISART認定施設での卵子提供よりも費用が高くなります。

しかし、提携している病院の医療費など、必要な経費はエージェントごとに異なるため、エージェント経由の卵子提供の費用もそれぞれ違います。

メディブリッジで卵子提供を受ける際の総費用の目安は、一般的なケースで420万円〜です。

メディブリッジの卵子提供プログラム費用については、以下にて詳しく説明していますので、ぜひご覧ください。

関連記事:卵子提供費用|支払方法やサポート制度について紹介

卵子提供に関するよくある質問

卵子提供の条件に関するよくある質問と回答をご紹介します。

卵子提供は身内でも行うことはできる?

卵子提供は、身内でも行うことができます。

身内の方からの卵子提供は、奥様の家系の血筋もお子様に引き継ぐことが可能です。

生まれてくるお子様が、旦那様だけでなく奥様にも似る可能性が高いため、遺伝的なつながりを重視される方にはメリットが大きいと言えます。

身内からの卵子提供のメリットやデメリット、注意するポイントについて、以下で詳しく説明していますのでぜひ参考にしてください。

関連記事:卵子提供を身内で行うメリットとデメリット|注意ポイントや流れも紹介

卵子提供の条件にドナーの年齢制限があるのはなぜ?

40歳の妊婦は、20歳の妊婦と比較すると卵子の染色体異常の頻度は8倍に上昇するという報告(※1)があります。

また、卵子の染色体異常の頻度が上昇すると着床率が低くなるという報告(※3)もあるため、卵子提供の成功率を高めるためにも、ドナーの年齢制限が設けられています。

メディブリッジの卵子ドナーは、20〜30歳の女性であり、年齢の若いドナーから卵子提供を受けることで、妊娠率を高め、流産率を低下させることができます。

※1:高齢妊娠に伴う諸問題|杏林医会誌
※2:生殖補助医療が高齢出産化に 与えた生物人口学的インパクト

以下では、卵子提供に関するよくあるQ&Aをまとめていますので、ぜひご確認ください。

関連記事:卵子提供Q&A

まとめ

本記事では、卵子提供を受ける方法、卵子提供を受けるときの条件、卵子ドナーの条件について説明しました。

卵子提供を受けるには、JISART認定施設で受ける方法と、卵子提供エージェント経由で受ける方法があります。

それぞれの方法では、卵子提供が受けられる条件が異なります。

卵子提供を受けることや卵子ドナーになることを検討している人は、卵子提供の多数の実績を誇るメディブリッジにぜひ一度ご相談ください。