出自を知る権利

メディブリッジでは、代理出産、卵子提供、その他多数の高度生殖補助医療にかかる医療サービスを組み立て、皆様のご状況に合わせお子様を授かっていただけるようお手伝いをしています。

1989年に国連総会において採択された「子供の権利条約」とえば代理出産や卵子提供などは、地域によっては不妊治療の選択肢の一つとして法的に認められ市民権を得ています。またそれらを法的に禁止とする地域もあり、考え方は様々です。

その中で一つの大きな流れとして、国内外を問わず近年法整備すべきとされている考え方、権利の1つに「出自を知る権利」があります。1989年に国連総会において採択された「子供の権利条約」内にきていされているものです。

「出自の権利」とは、子どもが自分の出生や遺伝的ルーツを知る権利です。出自を知る権利は、子どものアイデンティティ形成、健康管理、家族関係構築など、子どもの健全な成長と発達に不可欠な権利であるとされています。具体的には、子どもは以下の情報を知る権利があるとされています。

・自分の出生に至った経緯
・自分の遺伝的ルーツ
・自分の出生に関わった人々の情報など

この権利を尊重するために、子どもが自分の出自を知ることを望んだ場合には、適切な方法で情報を提供することが大切なのです。

日本ではとかく不妊治療と連動して語られる「出自を知る権利」ですが、そもそもは養子縁組や紛争孤児からの国際養子縁組などにより、自身の出自を知る事が出来ないあるいは隠蔽された子供達にとって、彼ら、彼女らが自らのルーツを探し求める権利を保証すべしという事でした。それに付随して、卵子提供等、親との遺伝的繋がりが無い状態の子らも含まれてきたという経緯があります。何となれば、例えば自然妊娠で夫婦間に出生した子にだって、出自を知る権利は保証されなければならないのです。

自分のみでなく、周囲の大人たちの誰も自分がどこの誰であるのかを知らない。そのような環境にある子供達が自分のルーツを求める事は、権利と銘打つ事にいささかの疑問もありません。

一方で親が望んで行われた治療に起因する事実について「出自を知る権利」を守るための「告知する義務」を持ち出すのは、少し違和感を覚えます。

親が望み、治療をして得られ、大切に育てているお子さんが出自を知る権利を子が行使したいと考える場合、子は出自を知る事を望むきっかけがあるのではないでしょうか?それは親に対する違和感であったり、周囲からの扱われ方であったりするかもしれません。

苦労して授かるお子さんですから、親を信頼し、幸せな思いで過ごして欲しいと両親は思っています。もしかしたら疑問を持たれないよう育てる事がお子さんを最も幸福に育てている親なのではないか?と考えてしまう事もあります。

でも簡単な検査キットで遺伝子情報を調べられる昨今、何のタイミングで真っ白だった世界に亀裂が生じる事態が発生しないとも限りません。

お子さんの「出自を知る権利」を守りつつ、自分たち両親を親として信頼し続け、幸せに育ってもらうためには、小さいころから提供配偶子である事を当たり前のように伝える事を良しする考え方もあります。子が権利を行使する前に出自を提供し続けるという事です。

権利を守らなければなならない事を大前提として、どのような形をとるのが良いのか、正解は1つではないはずです。

一方で経緯はどうあれ、育てている親が親であっても良いし、血縁が親であってもよい考え方も、もう少し受け入れられる土壌が醸成される事も望んでいます。親である事と親権は別物です。

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