着床前診断:生検の安全性
前回のブログで着床前診断において行うスクリーニングにはいくつかスクリーニング手法があり、その手法は時間経過とともに進化していることをお伝えしました。
現在の着床前スクリーニングの中心は最新のNGS法になっていますが、NGS法では胚盤胞まで成長した胚の将来胎盤となる細胞を数個採取して、その細胞に含まれている遺伝情報をスクリーニングします。スクリーニングでは胚から細胞を抜き取るわけですから、当然、安全性に心配があるかと思いますが、生まれてくる胎児に影響が及ぶことはほとんどない模様です。
欧米での研究結果報告によれば、着床前スクリーニングを経て生まれてきたお子様を生後5~6年まで追跡調査したところ、自然妊娠で生まれてきたお子様と認知能力、精神発達、心理社会的な発達に差がなかったとのことです。
ただ、着床前スクリーニングを経て生まれてきたお子様の多くがまだ小さく長期間にわたって追跡できてはいません。そういった意味においては、いまだはっきりとわかっていないところはありますが、流産を繰り返す原因となっている染色体の数と構造の異常がスクリーニングでわかるわけですから、お子様を授かる対処法としてはとても有益であることは間違いないです。
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