NGS法による着床前診断
女性の年齢が高くなりますと卵子の染色体の数や構造に異常が生じる割合が高くなります。そして、染色体に異常を持った卵子が受精しても、胚盤胞まで胚が分割して育てない、胚盤胞まで育ったとしても着床できない、着床したとしても流産を繰り返す、このことは何度もこのブログでお伝えしています。
着床できる胚を見分けるための生殖補助技術の1つに着床前スクリーニングがあります。ご存じの方は多くいらっしゃると存じますが、このスクリーニングも日進月歩で技術の精度は日を追うごとに向上しています。
スクリーニングの手法としては、まずFISH法というのがあります。FISHはFluorescence In Situ Hybridizationを略した呼称で、具体的に何をおこなっているかというと、胚から1個の割球を取り出し、蛍光染色法(蛍光物質をつけたプローブ(合成遺伝子)を標的遺伝子と結合させて蛍光顕微鏡下で可視化)により染色体の本数を確認します。この手法はわかりやすい反面、スクリーニングできる染色体の数が限られているといった短所があります。スクリーニングとしては、概ね通常は13,18,21,X,Yの5種類をターゲットにしています。
スクリーニング本数が限定されているFISH法の進化形として、CGH法というのがあります。CGHはComparative Genomic Hybridizationを略した呼称で、この方法では23対すべての染色体のスクリーニングが可能ですが、一度の検査でスクリーニングできる数が少なく費用は高いといった短所があります。
そして最後に、最新の技術としてNGS法があります。NGSはNext Generation Sequencerを略した呼称で、胚盤胞の中にある将来胎盤になる細胞を数個取り出してその中にあるDNAを全ゲノム増幅(WGA)と呼ばれる方法で何万倍にも増やし、増幅したたくさんのDNAの断片を一気に読み取り分析します。大量の情報を処理できて費用も低く抑えることができる。
弊社の代理出産プログラム、卵子提供プログラム、そして着床前診断プログラムにおける着床前診断は一部実施国を除いてほとんどがNGS法によるスクリーニングとなります。NGS法に精度は97%ととても高くご検討されている方はぜひお問い合わせください。
記事が良いと思われましたら是非 クリックを
Copyright:c 2008-2019 MediBridge Inc. All Rights Reserved