不妊症率、世界平均9%に対して日本は16%
こんにちは。本日は暑くなりましたね。
本日は”不妊症率”についてのお話しをさせて頂きます。
本日は”不妊症率”についてのお話しをさせて頂きます。
過去の世界規模の調査をまとめた2007年の報告書によれば、時代や国によってバラツキはあるものの、不妊症の比率の平均は約9%。調査の詳細が示されていないので一概にはいえませんが、これに比べると日本の16%という数字はかなり高いといえると思います。
原因として考えられるのはやはり晩婚化の傾向。2015年の調査では女性の平均初婚年齢は29.4歳。日本は世界で32番目に初婚年齢が高い国なのです。女性の社会進出が進む、イギリスやドイツの初婚年齢は30歳を超えています。もっとも妊娠しやすい時期が20歳前後なので、晩婚化して子どもを産む時期が遅れれば必然的に不妊症の比率は高くなると考えられます。
不妊症を定義するときに「一定期間」妊娠しなかったことですが、実はこの不妊症と診断できる期間も、年齢によって変わります。高齢になるほど、不妊期間が短くてもその後に自然妊娠できる可能性が低くなるので、日本よりも高齢になってからの出産を考えるカップルの多いアメリカでは35歳以上の女性には「半年」で不妊検査を受けることを推奨しているそうです。
フランスでは体外受精は自己負担なし
しかしながら先ほどの「出生動向基本調査」によると、意外なことに20歳~29歳で「現在不妊治療中」と回答した割合は他の年代よりも高いのです。またこの年代は「現在(不妊を)心配している」と答えた割合ももっとも高い。初婚年齢に近づき、初めての出産を前に不妊に対する意識が高まっているとも考えられますが、不妊の原因は必ずしも加齢ではありません。仕事のなどのストレスが生殖機能に影響を与えている可能性もあります。
また、残念ながら日本の不妊症の調査では、「妻」の年齢しか公開されていません。もちろん、男性の生殖能力も加齢によって低下しますし、男性側に不妊の原因がある場合もあります。1998年のWHO(世界保健機関)の発表によれば不妊の原因が男性のみにある場合は24%で、女性のみにある場合は41%。女性だけの問題ではないのです。
日本では不妊治療は公的保険の対象外。一方、スペインでは不妊治療は国の保険の対象内で、男女そろって43歳まで検査や治療を受けることができますし、フランスでも女性が42歳になるまで自己負担なしで体外受精を受けられます。日本にも各自治体が費用の何割かを助成してくれる制度はあるものの、回数や所得に制限があったり、全体の費用のほんの一部にすぎなかったりと課題が残ります。
日本はまだまだ不妊への理解が乏しいと言えるかもしれません。
もっと治療に取り組めやすい環境が増えていくと良いですね。