甲状腺機能異常と妊娠
こんにちは。
今日の関東は寒の戻り。5年ぶりの春の雪が降ったところもあるようです。
寒いのは余り歓迎しないのですが、雪が降るのは嫌いではありません。
さて、不妊治療を受けておられる女性は、ホルモン値等、たくさんの検査を受け、結果をもらいはしたものの、何だが良く分からないと思っておられる方も多いのではないでしょうか。
数ある検査項目の中で、本日はTSHについて、少しお話をしたいと思っています。
TSHは脳下垂体から分泌される甲状腺刺激ホルモンの事です。
この値が基準値より高い場合には、甲状腺機能が低下していると考えられ、低い場合には、甲状腺機能が亢進していると考えられます。
実はこのTSH値の異常は、様々なホルモンの分泌と関わっています。また妊娠中には甲状腺機能異常が発症する事が多い事が知られてます。 検査で異常値を示している場合には、妊娠前から期間を通じ、投薬等で一定の数値を保つことが望ましいのです。 そんな訳で、不妊治療開始時には、TSH値が検査項目に入っている場合が多いのです。
米国では2015年3月24日に米国予防医療特別委員会(USPSTF)が発した「無症状の成人に対する甲状腺機能のスクリーニングを行うべきではないとい」という勧告に対し、米国内分泌学会が「妊娠中および妊娠を望む女性で、甲状腺疾患のリスクが高いと見なされている人は、スクリーニングを受けるべきだ」という反論を行う程に、妊娠を望まれている方には、重要な検査であります。
参考記事:「妊娠中で甲状腺の病気のリスクが高い人「甲状腺機能を調べて」、米国学会が勧告」
もし何らかの異常値が出たからと言って、慌てる事はありません。
医師のサポートにより、しっかりと数値管理をしながら妊娠期間を過ごせば良いのです。
不妊治療は医療行為です。
初めて見る略語や言葉が多くて当たり前です。
ご自身の治療は、ご自身がしっかりと理解して進めて行かれることが大切です。