体外受精でも子宮外妊娠?
みなさん、こんにちは。
今週は気温の低い日が続いていますね。
栄養のあるものをしっかりとって、健康管理には気を付けたいものです。
さて、今日は、体外受精と子宮外妊娠の関係についてお送りします。
体外受精では、受精卵を子宮内に移植する為、子宮外妊娠は起こりえない、と考えておられる方も多いかと存じます。
しかしながら、体外受精による妊娠において、実は約5%が子宮外妊娠になります。
大体全妊娠数の約1~2%が子宮外妊娠と言われていますから、体外受精での子宮外妊娠は、通常の妊娠よりも確率が上がると考えられます。
体外受精(IVF)や顕微授精(ICSI)の場合は、体外で受精した卵子(胚)が子宮内に移植されます。
つまり、体外受精や顕微授精の治療プロセスにおいては、卵管は使われないのですが、にも拘わらず、通常よりわずかに子宮外妊娠の確率が高くなるのです。
これは、胚が子宮に移植された後、着床するまでの間に卵管に運ばれるためだと考えられます。
では、子宮外妊娠の症状は、どのようなものでしょうか?
妊娠判定後数週間で、鋭い腹痛を感じる場合には、子宮外妊娠の可能性があります。
その時点までに受けた超音波検査で、子宮内に妊娠が成立していることが明らかになっている場合は、腹痛はほかの原因で起こっている可能性が高いでしょう。しかし体外受精で胚を2個以上移植している場合は、正常妊娠となった胚以外の胚が、子宮外妊娠になっている可能性もありますから、注意が必要です。
子宮外妊娠の主な症状には、下記のようなものが挙げられます。
・鋭い腹痛、わき腹の疼痛
・首と肩の疼痛
・痛みを伴う月経時のような出血
血液検査からも、子宮外で妊娠が起きている可能性を読みとることができます。
hCG濃度の上昇が正常な速度でない場合や、一定して高値の場合は、子宮外妊娠であるかどうか確認するために、超音波検査を受ける必要があります。
子宮外妊娠と診断されるか、またはこれに対する処置が施される前に、卵管が破裂することで出血が起こり、症状が悪化して次のような事態になる恐れもあります。
・腹部に生じる激痛と突然の疼痛
・脱力感、あるいは失神状態
・肩の疼痛
このような症状が出る前に、迅速に医師の判断を仰ぐ必要があります。
最近はエコーや、妊娠検査薬の精度の向上により、早期診断が可能になってきているようですので、少しでも異常を感じたら、信頼できるドクターに迷わず相談することです。