卵子老化のスピードは遅らせることが可能か?
こんにちは。
昨日は近畿地方で木枯らし1号が吹くなど、いよいよ秋が深まってきました。
街のあちこちでは早くもクリスマスの飾りつけがされる場所もあり、秋は足早に去っていくのを感じますね。
さて、卵子も老化するという事実はすでにご存じの方も多いかと思います。
生き物の体の老化を止めることが出来ないのは、世の中の必然です。
ですが、スキンケアを心掛ければ肌の老化スピードが遅くなるように、あるポイントを心掛けることで、卵子の老化スピードも遅くすることができるようです。
それでは、心掛けるべき「あるポイント」とは、何なのでしょうか?
卵子の老化は止められない。でも、そのスピードを遅らせるコツがあるって本当?
私たち女性の体内では、卵子が育まれています。女性がお母さんのお腹の中で胎児だったころ、一生分の卵子がつくられ、卵巣の中に貯蔵されます。その後、排卵や細胞死によって卵子の数は減少していきます。その大切な卵子を育む卵巣の機能はとても大切なもの。でも卵巣機能は、加齢とともに衰えるそうです。
では、私たちは卵巣と卵子の老化に対してまったく打つ手がないのでしょうか? できることなら「老化を少しでも遅らせたい」と思う女性は多いはず。
そこで、不妊症など生殖医療に詳しい産婦人科医の船曳美也子先生に、卵巣と卵子の老化を防ぐコツについて聞きました。
―先生、ズバリ「加齢による卵巣と卵子の質の低下」は防ぎようがないのですか?
「『卵巣と卵子の老化は避けられない』のは事実です。でもまったく打つ手がないわけではありません。日常生活に気をつけることで、『老化を少しでも遅らせる』ことはできます。
―加齢による卵子の質の低下は、どのようなメカニズムで起きるのでしょうか。
「カラダのすべての細胞は、呼吸により取り込まれた酸素からエネルギーをつくり出しています。しかし、エネルギーをつくるとき、同時に活性酸素と呼ばれる物質もつくってしまうのです。活性酸素がまわりの分子を酸化させることが、女性の大敵のしみやしわの原因になるばかりか、動脈硬化や脳梗塞、がんの原因になります。
それを防ごうと、体内では酸化ストレスに対抗する酵素がつくられているのですが、この酵素をつくる能力は、年齢とともに低下します。
そして、卵巣の中でできた過剰な活性酸素の影響で、卵子に染色体の異常が起きてしまうことが、30代後半から急速に妊娠率が下がっていく最大の理由です。ですので、卵巣と卵子のアンチエイジングとは、なによりも『抗酸化力を高める』ということになります」
―抗酸化というのは、美容でよく聞くアンチエイジングと同じことですよね? どんなことに注意すればいいんですか。
「まず、もしタバコを吸っているなら禁煙しましょう。喫煙者は活性酸素を必要以上に産生してしまい、1~4年閉経が早くなってしまいます。ちなみに、男性のも22%精液所見が低下します。それから、できるだけ、運動もしましょう。週2~3日散歩などの軽い運動だけで抗酸化力が高まります。
―食事で気をつけることはありますか?
「抗酸化には食生活も大切ですよ。避けたほうがいいのは、食べ過ぎと、脂質や糖質のとり過ぎです。反対に、とったほうがいいのは、抗酸化力のあるアルギニンを含む緑黄色野菜、オメガ-3脂肪酸を多く含む魚です。
ボリューム満点のこってり洋食ではなく、玄米や野菜に魚と肉を加えるといった、質素なほうが妊娠力によいという報告も出ています。レスベラトロールとう物質を多く含む赤ワインは、抗酸化力があることがわかっています。ただし、ハーフボトル以上を連日飲むと、妊娠力は4割落ちるという報告がありますので、連日はやめましょう。ちなみに、カフェインも500㎎を連日摂取すると、不妊率が1.5倍になるのがわかっています。コーヒーは1日2杯までにしてください。
―はい! 適度な運動、健康的な食事、コーヒーの飲み過ぎに注意して……。
「とはいえ、あまり神経質にならないでください。いちばん大切なのは、『前向きな心』ですよ。実際、ネガティブな考え方をする人のほうが細胞の老化が早いことがわかっています。ですから、ポジティブシンキングでいきましょう」
抗酸化、つまりアンチエイジングは、最近化粧品や食品でもよく目にしますね。
体内の抗酸化を心掛けることで、卵巣の老化スピードを遅くし、結果として卵子の老化スピードも遅くする効果が期待できるようです。
上記では緑黄色野菜やオメガ-3脂肪酸を多く含む魚が紹介されていますが、果物にも抗酸化作用がある物が多いですよね。
これからは、抗酸化に心掛けた生活を送ってみるのは如何でしょうか。