子宮内膜症とは
こんにちは
毎年10/31はハロウィンの日ですね。
今夜は仮装をしてハロウィンパーティーを楽しむ方が多いのではないのでしょうか。
さて、本日は子宮内膜症についてお話をしたいと思います。
子宮内膜症とは
子宮内膜とは子宮の内側に増殖する組織で、受精卵が着床する場所です。
着床がないときははがれ落ちて、月経血として体外に出ていきます。
子宮内膜症は、この子宮内膜に似た組織が卵巣や卵管、腹腔などに発生する病気で20代から30代の女性に増えています。
子宮内膜症がやっかいな点は、月経周期とともに病巣が増殖して、剥離と出血を繰り返すことです。
子宮内膜症の出血は月経血のように体外に排出されない為、その場で炎症を起こしたり、血液がたまって癒着を起こしてしまったりします。
子宮内膜症が卵管にできると卵管障害を、子宮の筋層にできると子宮腺筋症となって着床障害を引き起こします。
また、卵巣にできると、古い血液が卵巣にたまり、重症になると卵管癒着や排卵障害の原因になります。
これを卵巣チョコレート嚢胞といいます。
自覚症状には、月経痛や性交痛、腰痛、腹痛などがあります。
とくに、成熟して月経痛が軽くなるはずの20代以降に月経痛が重くなってきた人は要注意です。
一方で、自覚症状がまったくない人もいます。
病院の検査では、内診、超音波検査、MRI検査などを行います。
閉経状態にして増殖を抑える
子宮内膜症は月経周期とともに進行するので、月経を一度止めて、病巣を萎縮させるホルモン療法が行われます。
これを偽閉経療法といい、ホルモン剤を使って閉経後と同じからだの状態をつくります。
また、ピルを服用し、妊娠中に近い状態をつくる偽妊娠療法を行うこともあります。
いずれも、めまいや発汗、不正出血などの副作用が強いので、体調をみながら行います。
治療中は排卵が止まってしまうので妊娠が望めず、さらに薬を止めても、次の排卵が起こるまで1~3ヵ月ほどかかります。
そのため、症状が軽度で女性の年齢が高い場合は、治療より先に妊娠をめざすこともあります。
妊娠すれば月経も止まるので、子宮内膜症が一時的に改善されるからです。
一方、子宮内膜症による癒着がひどく、妊娠を妨げる場合には、腹腔鏡手術で癒着部分を剥離します。
卵巣チョコレート嚢胞がある場合は、そのままだと排卵しにくいので、卵巣に針をさして古い血液を吸引し、代わりにエタノールを注入して卵巣の膜を固定する手術(エタノール注入法)や、嚢胞を取り除く腹腔鏡手術を行い、卵巣機能を回復させます。