体外での受精について
こんにちは。
7月の半ばに入り、先週末ぐらいからセミが鳴き始めいよいよ夏本番ですね。
さて、今日は体外での受精方法についてお話をしたいと思います。
体外での受精方法には、IVF(媒精)とICSI(顕微授精)があります。
IVF(媒精)とは
IVFとは採卵後、インキュベータ内で熟成させた卵子の入っているディッシュに洗浄・濃縮した精子をふりかける受精方法です。卵子と精子を受精しやすい状態に整えながらも、最終的な受精については自然の力に任せた方法で、コンベンショナルIVFと呼ばれています。
ICSI(顕微授精)とは
ICSIとは細長いガラス管に精子を一匹だけ吸引して卵子の細胞質内に直接注入していくものです。受精させる精子を選んだ上で受精をサポートしていることから、IVFよりも人為敵な操作が入った受精方法と言えます。ICSIの適応になるのは、精子の数、運動精子の数が極端に少なくIVFでは受精が難しい場合、IVFで受精しなかった場合などです。
卵子が多く確保できた場合は、コンベンショナルIFVとICSIを半々程度で行うスプリットICSIを行ったり、コンベンショナルIVFで受精が確認できなかった場合にICSIを行うレスキューICSIがあり、確保できた卵子が1つでも多く確実に受精し、分割、胚移植へと進めるような工夫もされています。
受精の確認は、媒精から16~18時間後に行います。母由来の前核と父由来の前核の2つと極体2つが確認できれば受精したと判断できます。受精した胚はその後、分割を繰り返していきますが、その成長に必要な栄養分を与え、老廃物から守るために培養液の交換を行います。
近年、技術の進歩により体外受精がより身近なものとなりました。今後さらなる生殖医療技術の発展を期待したいものです。