気付かないうちに病魔は忍び寄る
先日、音楽ユニット「CHAGE and ASKA」のASKAさん(55)が、体調不良を訴え検査を受けたところ、一過性脳虚血症の疑いがあるとして療養されるというニュースがありました。
病気というのは、気づかないうちに体を蝕んでいることが多々あります。
特に外見に現れにくい病気の場合、体調不良という形で重症になる前に気づくことができるのは、おそらく幸運なのだと思います。
さて、女性にとって大切な子宮の病気も、外見からは発見が難しいです。
その上、痛み等の自覚症状がなければ、気づいた時には手遅れということに陥りやすいです。
特に知られている病気の一つが、子宮頸がんではないでしょうか。
世界規模で見ると約2分間で1人の女性が死亡し、日本国内だけでも1日に10人の女性を死に至らしめている病……それは“子宮頚がん”です。
“がん”といえば、日本人に最も多い死因ですが、それでも若いうちは何となく自分には縁のないもののように感じている人が多いかもしれません。ところが、子宮頚がんは近年、20代後半から30代に急増し、若い女性の発症率が増加傾向にあります。しかも、この病気は遺伝などに関係なく、性交経験がある女性なら誰でもなる可能性があるのです。
宮頚がんの原因は、ほぼ100%がヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染です。HPVは、すべての女性の約80%が一生に一度は感染していると報告があるほどとてもありふれたウイルス。100種類以上のタイプがあり、そのうちの15種類が、子宮頸がんの原因となりうる発がん性HPVと呼ばれています。
子宮頸がんは、初期には全く症状がないことがほとんどで、自分で気づくことはできないのがクセモノ。不正出血やおりものの増加、性交のときの出血など、何らかの症状を自覚できたときには、すでにがんが進行しているということも少なくないのです。
知らないうちに進行するというのは、本当に怖いですね。
とにかく、定期的に子宮頸がん検診を受け、早期発見を心掛けましょう。
早目に発見すれば、異常が見られる組織のみを取り除くだけで良い場合もあり、子宮全体の摘出を避けることができるのです。