気になるPM2.5、環境省が暫定指針策定

こんにちは。
暖かくなってきて、花粉の舞う季節ですが、今年は花粉以上に気になるのが、中国からの黄砂に乗って飛来するPM2.5の影響です。
英国の調査では、PM2.5が高濃度の地域ほど、心臓発作を起こした患者の経過が悪く、死亡率が高くなるとの報告もでています。
PM2.5は、花粉や黄砂よりも小さい直径2.5マイクロメートル(1マイクロは100万分の1)以下の物質で、粒子が極めて小さいため肺の奥まで入りやすく、ぜんそくや肺がんなど呼吸器系への影響があると言われています。
今後も黄砂に乗って日本への飛来が予想されていますが、環境省が暫定指針を策定しました。

黄砂

中国で深刻な大気汚染の原因になっている微小粒子状物質「PM2・5」が日本にも飛来し、健康への影響に対する不安が広がっている。花粉症用のマスクでは防げず、環境省は外出を控えるなどの注意喚起を行う暫定指針を策定した。

越境汚染

中国・北京周辺が高濃度を示す赤色に染まり、その汚染は日本に流れ、西日本をすっぽりと覆う――。東アジアの大気をコンピューターで再現できる国立環境研究所(茨城県つくば市)が1月31日のPM2・5の拡散状況を調べると、こんな結果が出た。中国大陸から海を越えてやってくる越境汚染の実態だ。

この日のPM2・5の濃度は全国155か所の測定局のうち31%で環境基準値(大気1立方メートル当たり1日平均35マイクロ・グラム)を超過した。1月13日にも汚染が西日本を中心に広がり、27%の測定局で基準値を超えていた。

国環研はさらに、周辺で排ガスを出す工場の影響が極めて少ない五島列島・福江島で観測された粒子状物質に着目。主要な5成分の濃度を調べたところ、石炭火力発電所や石油精製施設などからの排出を裏付ける硫酸塩が全体の48%も含まれていた。

国環研の清水厚・主任研究員は「中国には硫黄分を取り除く『脱硫装置』を備えていない工業施設が残っている。暖房のための石炭使用も増えており、こうした汚染物質が日本に到達している可能性が高い」と指摘する。

PM2・5は今後、黄砂とともに運ばれてくることが予想され、5月末ごろまで濃度が高まる恐れがある。ただ、粒子が極めて小さいため花粉用のマスクでは防ぐことができず、対策の基本は必要のない外出を控えることしかない。空気清浄機による除去効果は機種ごとに異なるので、販売店でのチェックが必要だ。

注意喚起の指針

PM2・5に対する関心の高まりを受け、環境省は2月27日、注意喚起をする濃度を「大気1立方メートル当たり1日平均70マイクロ・グラム超」という暫定指針を定めた。

ただ、注意喚起は通勤・通学が始まる朝に行う必要がある。そこで、指針では早朝に1時間の濃度が85マイクロ・グラムを超えた場合、その日の平均濃度が70マイクロ・グラム超になると予測し、都道府県が注意喚起を行うように求めている。この指針に沿って、熊本県は今月5日に全国で初めての注意喚起を行った。

なぜ指針の濃度は環境基準の2倍になったのか。同省によると、環境基準はあくまで行政上の目標値で、これを超えたからすぐに健康影響が出るものではないという。暫定指針を検討した専門家会合で委員を務めた島正之・兵庫医大教授も、「健康な人であれば70マイクロ・グラムでもほとんど影響はない。過敏に反応することはなく、注意をするための目安と受け止めてほしい」と話している。

国内にも汚染源

PM2・5には「年平均で15マイクロ・グラム」という長期基準もある。2010年度の測定結果では、国内でこの長期目標を達成した測定局はわずか26%だ。関東でも未達成の測定局があることから、同省大気環境課は「越境汚染だけではなく、国内の都市汚染にも対処する必要がある」と話す。

世界保健機関(WHO)の年平均の基準は10マイクロ・グラム、米国の基準も今月から12マイクロ・グラムが適用されるなど、国際的に見て日本の基準は緩い。専門家からは日本は決して汚染対策が進んでいる国ではないとの声も出ている。(吉良敦岐)

マスクもすり抜けてしまうというPM2.5、いちど肺に入ってくると、除去するのは難しく、肺がんリスクを始めとした様々な健康への影響があると考えられています。

大気中の濃度は、国や自治体が全国約560か所で監視しており、一部の測定局の濃度は、環境省の広域監視システム「そらまめ君」のホームページで確認できますから、濃度が高い日はできるだけ外出を控えるなど、自衛することも大切かもしれませんね。

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