全国初、医療施設付きキャンプ場建設
おはようございます!
8月も半分が終わり、夏真っ最中ですね。お盆には子どもたちにせがまれて、キャンプに出かけたご家庭も多いのではないでしょうか?
野外でバーベキューをしたり、普段は触れることのない自然を体験できるキャンプは大変楽しいものですが、これまで病気を持った子どもたちには、参加しにくいものでした。
そんな子どもたちも参加できる、医療施設付きのキャンプ場が、現在北海道で建設中です。
難病の子も自然楽しんで 医療施設付きキャンプ場計画
小児がんなどの難病で病院にこもりがちな子どもたちに自然を満喫してもらおうと、医療施設を備えた全国初のキャンプ場「そらぷちキッズキャンプ」の 建設が北海道滝川市で進んでいる。一緒に野外活動に取り組み、病気に立ち向かう勇気や自信を持ってもらおうとの試みだ。2012年の本格的なオープンに向 け、医療関係者や行政、企業などがプレキャンプを重ねている。
「えー、怖い! 本当に行くの?」
指導員に目隠しをされた子どもたちが、互いに手をつなぎながら恐る恐る森の中へと踏み込んでいく。視覚に頼らず、温度やにおい、足裏の感触など、五感で自然を感じてみようというプログラムだ。
「これ、なーんだ?」
指導員が木からぶら下がる蔓(つる)を握らせると、女の子は悲鳴を上げて手を引っ込めた。
「やだ! ヘビ!」
目隠しを外した瞬間、子どもたちは目の前に広がる草原を全速力で駆け出した。
「見える、ってすごいね。こんなに夢中で走ったの、初めて。病院じゃ、看護師さんに怒られるから!」
先月30日から今月2日にかけて開催された3泊4日のプレキャンプ。小児がんと闘う小学生21人がキャンプ建設予定地である滝川市の丸加高原の宿泊施設に寝泊まりし、ボランティア約60人と森林散策や野菜の収穫、グライダーの搭乗体験などを楽しんだ。
「キッズキャンプ」の最大の特徴は、医療面のバックアップだ。体調に不安を抱えていたり、急激な環境の変化で状態を悪化させたりする恐れのある子どもた ちのために、期間中は専門知識を持った医師と看護師が敷地内に常駐。滝川市も市立病院や消防などと連携し、緊急時にはいつでも子どもを中核病院に搬送、 キャンプに付き添っている医師が市立病院で医療行為ができる態勢を整えている。
参加した九州がんセンター(福岡市)の中島健太郎・小児科医は「小児がんの子どもたちは、後遺症や再発の危険性などと一生向き合っていかなければならない。今後の人生を強く生き抜いていくためにも、こういう場は必要だと感じる」と話した。
「キッズキャンプ」構想が立ち上がったのは1999年。「病院で過ごす子どもたちにも夏の楽しい思い出を残してあげたい」と望む小児科医たちと、ハン ディキャップを持つ人々にも広く公園を開放したいと考えていた公園行政の専門家たちが協力し、実際に小児がん患者のキャンプ参加を進めている米国を視察。 元国土交通省審議官が故郷の滝川市に計画を打診したところ、同市が約16ヘクタールの牧草地を無償で提供し、計画が実現した。財団法人に認定されたキッズ キャンプが施設の建設を進め、敷地内には事務棟と簡単な治療行為ができる医療棟が完成した。今後、体育館、宿泊棟、浴室棟などの建設が予定されている。
15回のプレキャンプでは終了後、多くの親たちからメッセージが事務局に届く。
「何事も病気のせいにしなくなり、できるだけ自分でやろうとするようになった」「同じ境遇の子どもと4日間話しあえたことが自信になっているようだ」
一方で、課題も残されている。プレキャンプでは子どもからは参加費を取らず、ボランティアからは約4万円(航空券含む)を徴収することで運営してきた。 オープン後も、子どもからは参加費を取らず、運営費はすべて寄付やボランティアで補う方針だ。施設などの建設費約7億円については、計画に賛同する企業や 個人からの寄付でまかなえる見通しだが、年約5千万~1億円とされる運営費をどう確保していくかはまだはっきりしていない。
キッズキャンプ理事である東京農業大(神奈川県)の浅野房世教授(園芸療法学)は「成功するかどうかは、難病の子どもたちのために何かをしたいと思う人々をどう増やしていくのかにかかっている」と話す。
子どものころキャンプで食べるカレーは特別においしかった記憶があります。自然の中で思いっきり遊んだ後、みんなで作って一緒に食べる、という体験が、きっとカレーの味も特別なものに変えてくれたのでしょう。
病気の子どもたちにもそういった体験を、といった医師たちの願いから、10年越しで実現しつつあるこの施設。運営費が課題、とのことですが、こういった施設にこそ、公的な援助をしてもらいたいものです。
以下のサイトから、寄付・募金箱の設置など、支援方法を見ることができます。
ぜひ、ご協力をお願い致します。