体外受精での妊娠は、多胎妊娠が多いことが知られています。
弊社でご紹介している卵子提供においても、複数胚を移植することが多く、結果として双子を授かることもあります。
双子を出産する場合の母体のリスクは、一人の出産よりも高くなります。
母体だけでなく、赤ちゃんにとっても、双子の場合早産になりやすいことから、未熟児で生まれたり、死産が増えるという報告もあります。
では、双子を出産する場合、どの時期に出産するのが一番リスクを減らせるのでしょうか?
アメリカの研究グループが、妊娠32週0日から40週6日までの週ごとの死産、乳児死亡の発生率を調べました。
死産のリスクについては、赤ちゃんが子宮に居る期間が長くなるほど、高くなっています。
出産時期による双子の死産数
妊娠37週:12.5人/1万人妊娠38週:22.5人/1万人
1週違うだけで、死産数が増えているのが分かりますね。
上記は死産の数についてのデータですが、出産後の赤ちゃんの死亡率はどうでしょうか。
出産後の乳児死亡リスクを分娩した時期を基準に比較すると、妊娠満期に近いほど下がっていました。
32週から36週に出産したケースを比べると、週ごとに乳児死亡率は下がっており、週ごとの差は統計的に有意な差と判定されたそうです。
死産、乳児死亡の両方のリスクを考えて分析した結果、最もリスクが低いタイミングは、妊娠37週時点での出産であることが分かりました。
40週が満期分娩に当たりますが、少し早めに出産するのが最適ということになります。
出産時期による双子の乳児死亡数
妊娠37週:43.9人/1万人妊娠38週:59.2人/1万人
37週で出産した場合のほうが、乳児死亡数が低いことが分かります。
この研究では、双子の出産は妊娠37週が最も理想的とあるとした上で、母子の状態によって個別に出産のタイミングを判断することを勧めています。