どうなる?特定生殖補助医療法案

昨日、11月7日、「特定生殖補助医療法案」の修正案がまとまった事が報道されました。
野田聖子議員率いる超党派議員連盟がまとめたものです。
報道では、今回の修正案の肝は「出自を知る権利」と「提供者情報の開示について」であると言えそうです。

出自を知る権利

この場合、「出自を知る権利」とは、第三者の精子・卵子を使用した生殖補助医療などで生まれた子が、自身の遺伝上の父母に関する情報を知る権利と解されます。

これまで話し合われてきた「出自を知る権利」は以下になります。

・提供された精子・卵子・胚による生殖補助医療により生まれた者又は自らが当該生殖補助医療により生まれたかもしれないと考えている者であって、15歳以上の者は、精子・卵子・胚の提供者に関する情報のうち、開示を受けたい情報について、氏名、住所等、提供者を特定できる内容を含め、その開示を請求をすることができる。
・提供された精子・卵子・胚による生殖補助医療により生まれた子は、成人後、当該提供者に関する個人情報のうち、当該提供者を特定することができないものについて、当該提供者がその子に開示することを承認した範囲内で知ることができる。

https://www.mhlw.go.jp/shingi/2003/03/s0326-10k.html 第26回 厚生科学審議会生殖補助医療部会 議事次第 

出自を知る権利と提供者情報

これまでの案では「出自を知る権利」は、生まれた子が15歳以上になると、提供者個人を特定できる情報を含めて開示請求ができるとされていました。出生した子の知る権利は守られる一方、提供者のプライバシーは考えれていない状態でした。
しかし、今回の「特定生殖補助医療法案」の修正案では、「出自を知る権利」は生まれた子の利益の追求と同時に提供者の匿名性にも配慮した内容になっています。
・身長、血液型、年齢など個人を特定しない提供者情報 → 提供者本人の同意なしで開示可能
・氏名等、個人の特定につながる情報→提供者の同意がある場合のみ、成人に達した出生子が求めた、独立行政法人が開示するとしています。提供者情報は情報を100年間保管されます。

多くのドナーの方からの協力を得てきたメディブリッジでは、ドナーの方のプライバシーへの配慮がどれだけ盛り込まれるか、注視していました。
今後、法整備が固まる上で提供者及び生まれた子の双方に利益のある形になることを祈っています。

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