保険適用範囲拡大から1年、約80%が「妊活1年未満」で不妊治療クリニックへ
こんにちは、そろそろ3月も終わり4月を迎えようとしています。
昨年の4月から始まった不妊治療の保険適用範囲の拡大から1年が経ちます。
妊活・不妊治療をされている方がオンラインで集うコミュニティ「Varinos College」が実施したアンケートについての記事を取り上げようと思います。
妊活・不妊治療をされている方がオンラインで集うコミュニティ「Varinos College」は、参加者に対し、不妊治療の保険適用範囲拡大による影響や不妊治療を取り巻く環境、今後望まれていること等についてアンケートを実施しました。その結果、以下のことがわかりました。
Q1. 妊活を始めてから不妊治療クリニックに通い始めるまでの期間をお聞かせください。(n=66、SA)
https://medical.jiji.com/prtimes/144349
妊活を始めたと同時に不妊治療クリニックに通い始めた方が最も多く、39.4%という結果でした。また、全体の約8割の方が1年未満で不妊治療クリニックに通い始めていたことがわかりました。
「不妊」は、妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで性交をしているにもかかわらず、一定期間(一般的には1年)妊娠しない状態を指しますが、当結果からは、1年を待たずに不妊治療クリニックを受診される方が多いことがうかがえます。Q.2 不妊治療の保険適用範囲拡大は、ご自身にとってどのような影響がありましたか?もっとも近いものを選択してください。(n=85、SA)
https://medical.jiji.com/prtimes/144349
Q.3 Q2で「1.とても良い影響があった」「2.どちらかというと良い影響があった」と回答いただいた方へ、どのような良い影響があったかお聞かせください。(n=57、MA)
https://medical.jiji.com/prtimes/144349
不妊治療の保険適用範囲拡大により、約7割の方が良い影響があったと回答しました。また、良い影響としては、「金銭的な負担が減った(82.5%)」、「治療のステップアップがしやすくなった(43.9%)」、「治療の選択肢が増えた(28.1%)」の順となりました。
Q4. 今後、保険適用になることを望まれている治療や検査をお聞かせください。(n=77、MA)
https://medical.jiji.com/prtimes/144349
最も多かったのは、体外受精で胚(受精卵)の移植前に染色体異常を調べ、流産率を低下させる「PGT-A[着床前ゲノム検査](79.2%)」でした。ついで、妊娠率や生児獲得率にも関係することがわかってきている子宮内の菌環境を調べる検査「子宮内細菌叢検査2[子宮内フローラ検査](72.7%)」、胚を培養器に内蔵されたカメラによって観察し、胚の情報を移植や凍結する胚を選ぶ際の参考にする「タイムラプス撮像法による受精卵・胚培養(61.0%)」となりました。いずれも厚生労働省より先進医療に認定されている医療技術です。
※着床前診断は先進医療会議(3/3)で了承され、厚生労働大臣の承認等の手続きを経て先進医療Bに認定される予定。
https://medical.jiji.com/prtimes/144349
不妊治療開始まで、妊活開始から1年未満の方が多い結果になっています。
保険適用により金銭的負担が少なくなったことで今まで不妊治療を考えていても不妊治療の開始まで踏み出せなかった方々が開始しやすくなったということもあるのでしょう。
今後、保険適用が望まれる治療として、8割近くの方が体外受精で胚(受精卵)の移植前に染色体異常を調べ、流産率を低下させることを目的とするPGT-Aを望んでいます。
PGT-Aは日本産婦人科学会は命の選別になるということを懸念しており重ね重ね議論されておりますが、流産をした際の母体への身体的のダメージを考えると必要なことであると思います。
その他に子宮内フローラ検査は、受精卵が着床するために必要な子宮環境を整えるために必要であったり、タイムラプス撮像法による胚培養はどの段階で胚の成長が止まってしまったか、今後の治療を進めるにあたり必要な情報がわかったりする為、保険適用が進んでいくと考えます。
PGT-Aについては、何回以上の胚移植・流産で保険適用での検査を受けることが可能というような未来が早く来ることを願います。
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