妊娠の成立には、卵胞の発育と排卵、受精、着床の4つが必要です。
妊娠までのプロセスにおいてどれか一つが欠けても、妊娠は成立しないのです。
では、妊娠が成立するまでには、どんなプロセスがあるのでしょうか?

妊娠のプロセス
  1. 卵胞の発育
    卵子は、原子卵胞と言われる状態で卵巣に蓄えられています。
    そして、排卵の予定が近づくにつれて、20~30個ぐらい直径2mm程度まで発育します。
    この状態が発育卵胞と言います。
    7~8日後には、このうち1個だけが増大して成熟卵胞となり、残りの卵胞は閉鎖卵胞になり、吸収、消滅します。
    増大した卵胞は主席卵胞と呼ばれ、排卵の直前には20mm程度にまで大きくなります。
  2. 排卵
    排卵にはホルモンが大きく関係しています
    卵胞が発育すると、そこから出るエストロゲンが視床下部に「卵胞はもう充分に発育した」という信号を送ります
    その信号は、視床下部から下垂体に送られ、その結果、下垂体からLH(黄体化ホルモン)という、排卵を命令するホルモンが出ます。
    この指令を受けて、主席卵胞がゆっくりと押し出され、排卵が起こります。
  3. 受精
    排卵が起こると、卵管采が動いて、卵子は卵管へと取り込まれます。
    卵子は卵管膨大分へと移動して、ここに3日間とどまります。
    射精で膣内に押し出された精子は、射精で膣内に押し出された精子は1億~4億匹ですが、このうち200匹ほどが、卵管膨大部で待つ卵子に出会います。
    精子は、卵のまわりにある顆粒膜細胞層をかき分けて、透明帯という一種の殻に到達します。
    その後、その殻を突き破り、なかでも元気な精子が、さらに細胞膜を破って卵実質と結合し、精子と卵子の核同士が合体して、受精が完了します。
    一つの精子が卵子に入ると、透明帯と卵の細胞膜はすぐに硬くなり、ほかの精子の進入をこばむことになります。
  4. 着床
    受精した卵(受精卵)は、2個、4個、8個、16個、と細胞分裂をくりかえして発育し、小さな細胞のかたまり(桑実胚)となり、その後、胚盤胞という状態を経て、受精から7日めぐらいまでに小さな突起物が形成されて(胎芽)、厚くやわらかくなった子宮内膜にくい込みます。
    これを着床といいます。子宮に着床することで、胎芽は栄養を取り入れる事が出来るようになり、細胞分裂をくりかえし、胎児となります。
    以上の流れが成立する事で、排卵された卵子は卵管で精子と出会い、受精して発育しながら子宮へ着床し、妊娠が成立します。

上記4つのプロセスを経て、新しい生命が誕生します。
妊娠は、神秘的で複雑な過程を経て初めて起こることなのです。