京都大学 山中教授「iPS細胞」研究でノーベル賞の快挙!!
おはようございます。
皆さん、三連休は如何お過ごしでしたか?
さて、昨晩は日本に嬉しいニュース速報が飛び込んできましたね。
京都大学のiPS細胞研究所で所長をつとめる山中伸弥教授(50)がノーベル医学・生理学賞の受賞しました。
弊社の10月5日の記事でもお伝えを致しましたiPS細胞(新型万能細胞)の研究の第一人者
最初の成果が米科学誌に掲載されてから6年あまりという異例のスピード受賞だそうです。
スウェーデンのカロリンスカ研究所は8日、2012年のノーベル医学・生理学賞を、あらゆる細胞に分化する能力があるiPS細胞(人工多能性幹細胞)を開発した京都大の山中伸弥教授(50)と英ケンブリッジ大のジョン・ガードン教授の2氏に授与すると発表した。
患者自身の細胞を移植して病気やけがを治療する「再生医療」への道を開いた功績が評価された。
日本人のノーベル賞受賞は2年ぶりで、米国籍の南部陽一郎氏を含め計19人。医学・生理学賞は1987年の利根川進氏以来、2人目の快挙となった。
iPS細胞は、あらゆる細胞に分化する能力を持つ万能細胞の一種。これを基に神経や肝臓、心臓などの細胞を作製し、病気や事故で機能を失った患者の臓器などに移植することで、難治疾患を治療する再生医療の実現が期待されている。
研究はまだ安全性評価の段階で、実際に患者に使われたケースはない。医療分野のノーベル賞は広く実用化した段階で授与されるのが通例で、極めて異例のスピード受賞となった。
山中氏は平成18(2006)年、マウスの皮膚細胞に4つの遺伝子を導入することで世界で初めてiPS細胞の作製に成功。19年には同じ手法でヒトの皮膚から作製することにも成功し、世界の第一人者として研究をリードしている。授賞式は12月10日にストックホルムで行われ、賞金計800万スウェーデンクローナ(約9500万円)が贈られる。
ヒトや動物は、1個の受精卵から体のすべての細胞を作り出している。受精卵は分裂を繰り返して数を増やしながら、心臓、筋肉、神経、皮膚などさまざまな臓器や組織の細胞に変化する。これが「分化」だ。一度心臓や筋肉の細胞に分化した細胞は、分化前の状態には戻らないと考えられてきた。
ガードン博士は62年、アフリカツメガエルの卵から、遺伝情報を含む核を取り除き、代わりにオタマジャクシの体細胞の核を移植。この卵はそのまま成長し、オタマジャクシと同じ遺伝情報を持つ新たなオタマジャクシに成長した。このことは、いったん分化した細胞でも、再びあらゆる細胞に分化できる「多能性」を持つことを示すと同時に、時計を巻き戻すように「初期化」できることを世界で初めて示した。
その後40年以上たった06年、山中教授らはマウスの皮膚細胞に4種類の遺伝子を組み込む方法で細胞を「初期化」し、多能性と増殖能力を持つ「iPS細胞」を作った。07年11月には、同様の手法でヒトの皮膚細胞からiPS細胞を作ったことも報告した。
iPS細胞は、受精卵を壊して作るヒトES細胞(胚性幹細胞)に比べ倫理面の課題が少なく、患者自身や白血球の型が同じ人の細胞から作ることで、拒絶反応の少ない再生医療が実現する可能性がある。患者から作ったiPS細胞を目的の組織や細胞に分化させ、その病気の解明や新薬候補物質の探索、副作用を調べる研究への利用も期待されている。
山中教授の論文発表直後から、世界中でiPS細胞を使った研究が始まり、日本も京都大などを拠点に国が年間100億円規模の研究費を投入するなど、「オールジャパン体制」で実用化を目指している。
また同じく京都大学院の斎藤通紀教授らの研究グループが、人工多能性幹細胞(iPS細胞)から精子に続いて卵子を作製し、マウスの子供を誕生させることに成功しており、今後、生殖細胞(精子と卵子)の発生メカニズムや不妊治療の研究などへの応用が期待されております。その反面、人工的に作ったヒトの精子や卵子で受精卵が作れるようになる可能性も芽生え、今後は、倫理面で新たな議論が巻き起こる可能性が出てきおります。
不妊症に悩む患者さんにとって一筋の光が見えてきたように思います。
生殖医療を推し進めるにあたって、再生医療が実現化される日が待ち遠しいですね。
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