子宮収縮剤ってなに?

おはようございます!
今日は2日ぶりに雨が上がり、ここ銀座からも青空が見えます。
初夏らしい陽気のこんな日は、一日外で過ごしたいですね!

さて、最近、東京の病院勤務の医師が、交際相手に無断で堕胎させようとした不同意堕胎事件が話題になっています。患者を助ける立場にある医師がこんなことをするなんて、もってのほかで言葉もあり
ませんが、堕胎させようとした際に医師が使用した、「子宮収縮剤」とはどんなものでしょうか?

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子宮収縮剤とは、自然の陣痛が来る前に子宮 収縮を起こして分娩を開始させたり(分娩誘発)、自然の陣痛が不十分でお産が進まない場合に子宮の収縮を促進(分娩促進)する薬です。

通常、子宮収縮剤が投与されるのは、以下のような場合です。

  • 前期破水(陣痛がはじまる前に破水が起こった場合)

破水すると、約12~24 時間後に自然に陣痛が起きるといわれていますが、そのまま陣痛が起きず、分娩が長期化すると母児への細菌感染が起こり母児の健康、生命を脅かすことになり ます。そのため感染が現れる前に分娩が終わることが必要となります。一定時間以上陣痛が始まらないか、陣痛が弱い場合には子宮収縮剤を使用し、陣痛を誘発 することが必要となります。

  • 過期妊娠(分娩予定日を2週間以上過ぎても分娩が開始しない場合)

分娩予定日を2週間以上過ぎると、胎盤の働きが低下し、羊水量も減少し、子宮内の赤 ちゃんをとりまく環境が急速に悪化することが多くなります。そこで、分娩予定日を1週間以上すぎた場合、過期妊娠にならないように、子宮収縮剤による分娩 誘発が必要になってきます。

  • 微弱陣痛、母体疲労、分娩遷延:

自然に陣痛が開始して分娩が始まっても、長時間陣痛の弱い状態(微弱陣痛)が続き分娩が進まない時は母児ともに疲れ果てて しまいます。このため、上手にいきむことができなくなったり、分娩後に子宮の収縮が悪くなって出血量が多くなったり、また、赤ちゃんにとってもストレスの 多い環境が長く続くことになります。このような場合、弱い陣痛を本来の有効な陣痛になるように促進し、分娩をスムーズに進行させるため子宮収縮剤の使用が 必要になります。
 

  • 妊娠中毒症の重症化、糖尿病合併妊娠などのハイリスク妊娠:

このようなハイリスク妊娠では自然陣痛が来る前に赤ちゃんを早く出してあげる方が赤ちゃんに とって安全であると考えられる場合があります。このような場合、子宮収縮剤投与による分娩誘発が必要になります。

  • 胎児発育不全(IUGR)

子宮内で赤ちゃんの発育が停止したと判断した場合、赤ちゃんすみやかに出してあげる方が赤ちゃんにとって安全であると考えられ る場合があります。このような場合、子宮収縮剤投与による分娩誘発が必要になります。
□ 前回が急産だった:今回の分娩はさらに予期せぬ時期・場所で分娩に至ることが予想されます。病院にたどり着くまでに分娩してしまうことのないように、あら かじめ分娩予定日の前に子宮収縮剤投与による分娩誘発を行います。

子宮収縮剤には、以下のようなものがあります。

  • オキシトシン製剤

脳下垂体から分泌される子宮筋収縮作用をもつホルモンです。自然分娩の場合もこのホルモンが陣痛を引き起こしています。薬剤として使用 する時は点滴で持続的に静脈内に投与します。

  • プロスタグランジン(PG)製剤

PG とは陣痛とともに体内から生理的に産生され、子宮収縮作用や子宮の出口を柔らかくする作用をもつ物質です。薬剤として使用する時は点滴で持続的に静脈内に 投与します。

子宮頚部の熟化の状態に応じていずれを使用するかを決めます。両者を同時に用いることはありません。

使用にあたっては、 薬の必要性、目的(利点)、使用方法、副作用とその対応策(まれに子宮の収縮が強くなり過ぎ、母体や胎児が危険になることもあります)など、医師から十分 に説明を聞き、納得のうえで選択することが重要です。

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